作品「隅家」、これは、稲が刈り取られた田畑の中空に突如出現した日本家屋の廃墟の絵だ。17世紀、「廃墟の画家」
として有名なモンス・デジデリオの作品には、壊滅と荒廃に満ちた建物の亡霊が棲みついていたが、谷下田朋美の廃墟画
には、その朽ちた建物に、かつて家族が集い、生気に満ちた場所であった幸せの記憶が染み付いた妖気が漂っている。
真ん中の四角い蛍光灯に照らし出されて、卓を囲んでいる黒い人影がうごめく。建物と一緒に風化していく記憶を捕まえようと、
右下にいる少女が踊るように駆け出している。 日本的廃墟の美学がここにある。
プロフィール
1983年 茨城県生まれ
2008年 東京芸術大学絵画科油画専攻卒業
現在、大学院美術研究科修士課程 油画技法材料研究室在籍
グループ展
2008年 二人展「水眠」 Gallery銀座フォレスト 東京
2008年 Midsummer Show 2008 Azabu Art Salon Tokyo